TK=Traveling of the King(王の遊行)

8/31

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
終業の鐘がなっても、ミヤが来ない。 これはいよいよ。 「ヤバイかも」 ヨコシマが宣告する。 うぇぇぇん。 ミヤの側近が来て、先にお帰り下さいと伝える。 「大丈夫よ、何があっても、あたしは姫の味方だから」 ミヤギからエールをもらう。 「オレも」 ツガモが便乗。 「今、姫ができることは夕飯をおいしく食べるくらいです」 ヨコシマはいつも冷静。 帰り道。 「先生は、あたしにこうなってほしい、とかありますか?」 て聞いてみる。 さっきの寂しそうな目が忘れられない。 「前に話しましたが、」 「ほんとは」 「宮様に弄ばれて子連れで泣いて帰って来たらいいなあ、と考える時があります」 3歳からずっと近くで英才教育という名のもと、大事に育ててきた娘が、手の届かない遠くへ行ってしまうより。 「あの話、ママウケが一番よかったわ。」 そーしなさいよ。で、今度は10歳年下と付き合えばいーんだし。て、ミヤの前で言ってた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加