親友の恋

3/11
前へ
/30ページ
次へ
狼―――ロウ それが俺の名前。 「ケンカばかりしてるから誰も怖がって近寄って来ないんだよ。ケンカやめろって」 「別にケンカしたくてしてるわけじゃねえし。向こうが勝手に仕掛けてくるだけだろ?弱いのになんでケンカしたがるのかわからねぇな」 呼び出されて戻ってきた俺の隣を歩く佑は苦笑いする。 横を通りすぎる隣のクラスの男と肩がぶつかった。 「何、ぶつかってんだ、テメエ!!」 どこに目をつけて歩いてやがる! 振り向いた男が俺を見てギョッとしてそそくさと逃げてった。 「ほらな。狼、睨むなって」 「…睨んでねえし」 目つきが悪いのは生まれつきだ。 優しくしようにも誰も近寄ってこない。 ただひとりを除いては。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

318人が本棚に入れています
本棚に追加