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狼―――ロウ
それが俺の名前。
「ケンカばかりしてるから誰も怖がって近寄って来ないんだよ。ケンカやめろって」
「別にケンカしたくてしてるわけじゃねえし。向こうが勝手に仕掛けてくるだけだろ?弱いのになんでケンカしたがるのかわからねぇな」
呼び出されて戻ってきた俺の隣を歩く佑は苦笑いする。
横を通りすぎる隣のクラスの男と肩がぶつかった。
「何、ぶつかってんだ、テメエ!!」
どこに目をつけて歩いてやがる!
振り向いた男が俺を見てギョッとしてそそくさと逃げてった。
「ほらな。狼、睨むなって」
「…睨んでねえし」
目つきが悪いのは生まれつきだ。
優しくしようにも誰も近寄ってこない。
ただひとりを除いては。
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