第10章  純白とマドンナ(続き)

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美沙ちゃん――。 彼の暖かく大きな手が、私の頬を優しく包む。 そして、また唇を重ねながら私の着ているローズ色のモヘアセーターの ボタンに手をかけた。 愛おしむような優しい口づけは、少しずつ甘さと艶を帯びてきた。 重なる唇が緩くほどけ、淡く唇を甘噛みされ、 そこをソロリと彼の舌が舐めていく。 そして、細く開いた私の口の中にそっと入ってきた彼の舌が、 歯列をなぞり、味わうように上顎をゆっくりと舐めあげた。 んぅ……。 じわりと熱を帯びてきた互いの呼吸と共に、キスそのものに官能が色づいた。
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