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熱く、甘い彼の息が耳に掛かり、私の背筋をゾクゾクと痺れが這い上がる。
それと同時に、首筋から鎖骨に這う舌の感触に体の奥がジンと疼いた。
あ……、はぁ……。
堪らず、私の唇から吐息のような甘い声がこぼれ出た。
迫る官能の渦に呑まれ始めた私を、彼は、静かにベッドに横たわらせた。
そして、露わになった胸に彼の手が優しく触れると同時に、
再び私の唇から甘い声が零れ出る。
「あぁ、美沙ちゃん。もっと聞かせて」
ちょっと切なげな彼の声と、ねっとりと更に下へと這っていく彼の舌に、
私の中の炎もじわりと熱さを帯びた。
私たちは、初めて出会ってからの月日をゆっくりと辿るように、
冬の長い夜をかけて肌を重ねていった。
そんな私たちの甘い空間を優しく包むように
部屋に入る月明かりは、辺りを薄墨色に染めている。
そして、その澄んだ冬の空に輝く青い月の光に吸い込まれるように
私の何もかもが、彼の腕の中で溶けていった。
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