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私たちの中で、時は、完全にその姿を消していた。
ただ在るのは、互いの心の糸を一つひとつ結んでいる二人の想いだけ。
そうして満ち足りた幸福感の中で、
私たちは、生まれたままの姿となった互いの体を抱き寄せて、
その温もりを感じ合い、二人には少し狭いベッドに横たわっていた。
「やっぱり美沙ちゃん、すごく素敵だよ」
彼が、私を自分の胸にそっと抱き寄せるようにして、うっとりと言う。
しかし、その彼の胸に頬をあてて寄り添う私は、
やっぱりどこか気恥ずかしさが残っていた。
「でも私は、やっぱりもう十年若くありたかったな」
「どうしてぇ? こんなに可愛くてステキなのに?
俺には女神さまみたいに綺麗だよ、今の美沙ちゃん」
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