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ーーーそれから1週間。
結局、シオくんの家にご挨拶にまだ行けていない。
お父さんの仕事が休みで近くのショッピングモールに連れて行ってもらう車の道中、お父さんにシオくんの家にご挨拶できていないことを伝えた。
「高瀬さんのお宅かー。
父さんも仕事が忙しくてご近所さんに会うのは朝仕事に行く時か回覧板回す時ぐらいだけど、高瀬さんの家から回覧板が回ってくる時はうちの玄関に置いてあるから全く接点がなくてなぁ…お隣に住んでおきながら恥ずかしい話だ。」
お父さんは申し訳なさそうに答えた。
まぁ、お父さんが近所付き合いができて、家庭を顧みることができる人だったら、子育ても家事もバリバリ頑張りたい、っていうお母さんとは離婚しなかっただろうな。
なんて、どうでもいい事を考える。
「そっかー。シオくんのお父さんもお母さんもお仕事忙しいのかな。
ご挨拶できてなくて申し訳ないけど、仕方がないよね。」
「父さんも、もしすれ違ったら七海がこっちに戻ってきたことは伝えておくから。」
お父さんはあまりあてにしない方が良いよね…なんて思いながらも、わたしは相槌をうった。
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