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「さっき探してたところ以外とかは無さそうなの?」
「トイレもお風呂場も探したけど、無い。」
「そっか・・・。」
ボクの方から鳴らしてみたけど、音がしなかったから、電源が切れてるのかマナーモードのまま解除してないのかのどっちかだと思うんだけど。
あと、見てなさそうなとこは外だけど、外はありえないと思・・・。
「凛、そう言えば、母さんと電話で話す時にベランダ出なかった?」
「・・・・・。」
「・・・?」
「・・出た。」
凛はスッと静かに椅子から立ち上がってベランダに向かうと、レースのカーテンを開けて、足元を覗くようにしながら戸を開けて、外に出て直ぐにしゃがみ込んだ。
「凛? どうした、の。」
あー、なるほど。そりゃあ部屋の中散々探してもないわけだ。
すっかり外気で冷え切った携帯を手に、ちょっとでもあっためようとしてるのか、もう片方のてでさすりながら戻ってきた凛。
ちょっとバツが悪そうにボクと目を合わせようとしないところを見ると、多分、今時計で時間見て、アラームより一時間ぐらい早い時間だから、それを気にしてくれてるんだと思う。
「見つかってよかったね。でも、どうしてベランダに?」
「・・・昨日、お母さん結構コール鳴らしてから出たから、忙しいのかと思ったんだけど、珍しく家帰ってすぐうたた寝してたんだって。それで、意外だなーって思いながらあのこと話したら、まさかのお咎めなしだし、気が抜けちゃったんだとは思うんだけど、次から気を付ける・・・。」
「うん。そうして?」
普段結構しっかりしてるのに、意外なところで抜けてたりするから、時々心配になるけど、滅多にないから、本当に気を付けてくれてれば大丈夫だとは思う。
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