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「一緒に逃げてくれないか?」
そう告げた瞬間、彼の瞳から一筋の涙がこぼれ落ちた。
え……?
――一緒ニ逃ゲテクレナイカ?
「愛川さんに気に入られてて、前から社長に娘との縁談をまとめられようとしていたんだ。だけど、俺はそんなことしたくなかった。そんな中、俺の父親が事業に失敗して借金の肩代わりに愛川家に婿養子に入るようになったんだ。だけど、やっぱり俺、お前と別れたくないんだ!」
彼は一気にそう話すと、私の取り分けたケーキをかきこんだ。
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