小さな手を握るとき。

鼓動。

「華ちゃんの彼氏、ほんと華ちゃん大好きーって感じだもんね」

「…達郎さんからも、そう見えます？」

「学校で有名なカップルだもんね。ギャップカップル」

「ギャップカップルって…」

「爽やかイケメンと、キャバ嬢」

「キャバじゃないっす」

「見た目だけでインパクト強いやん？」

爽太とも、たまに話題になることだ。

お互いに見た目も好みじゃなかった。

むしろ、好みとは正反対なほどだ。

「見た目的には、俺の方がしっくりくるやんね？」

「見た目は好みですけど。中身無理」

「ずばり言うなっつーの」

体格もがっちりとして、サバサバした達郎さん。

顔は決してイケメンではないが、それぐらいがちょうどいい。

並んだ時に不釣り合いに見えなければ、それでいい。

爽太と私では…

私が彼の印象を悪くしているのではないか、と思っていた。

キャバ、ヤンキーといった悪い印象を持たれがちな私と並ぶと彼も同類に見えないか？

「…そういうのも含め、疲れるんです。一緒にいるのが」

彼のことは、それなりに好きだと思う。

それが恋愛感情なのか、友達に近い感情なのか。

ハッキリしないまま、ずっとモヤモヤが心の中を渦巻いている。