第3章

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結界を張って守っているつもりの、 この都市は。 実は出口の無い袋小路だ。 流れ込んでくる様々な『力』……憎しみや悲しみや、 恨みにつらみ。 そういった負の感情が澱のように淀んで発酵して??鬼や怨霊となって顕れる。 整然と作られた数多くの辻は、 それらをいっそう増幅する。 今こうしていても、 屋敷の結界の外から覗き込んで行く多くの妖しがいる。 隙間があれば入ろうと、 爪を立てるモノがいる。 「霊的な力を取り込む事は出来ないのか?」 あいつらのような、 と晴明が外に向けて顎をしゃくる。 紗羽は首を横に振った。
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