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「ぼくとは違いすぎる」
この都市に渦巻く精神エネルギーは、
余りにも自分とは異質だ。
以前の自分なら力ずくで取り込み同化することも出来ただろうが、
今は触れる事すら敵わない。
反対に呑みこまれてしまうだろう。
ここには補給できる『力』が無い。
じわじわと弱っていくだけだ。
……せめて月が出れば。
「……本当は、
もうどうでもいいんだ」
呟いた紗羽が瞼を伏せる。
記憶も定かではないほど長い長い戦い……何のために闘っていたのかも忘れてしまった。
戦いのための戦い。
憎しみだけが糧だった。
もう疲れてしまった。
このまま消滅しても構わないと思う。
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