第3章

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そう……誰も構いはしない――誰も自分を、 欲していない。 力なくもたれてくる頭。 晴明がその細い顎に指をかけて、 そっと唇を重ねた。 薄く瞼が開く。 「……晴明?」 「こうすれば、 少しはいいのか?」 「……うん」 本当は。 接触して得られる人の生体エネルギーなんて、 微々たるもの。 丸ごと喰わねば力になどならない 。 でも晴明のオーラは少し違うから。 傍にいるだけでちょっとだけ楽になる。 触れてくる唇が温かくて……嬉しくて。 黙って唇を受け止める。 「どうしてぼくを助けるの?」 繰り返される優しいくちづけの合間に、 紗羽が訊ねる。 「なんにも知らないくせに……後できっと後悔するよ」 「もう後悔してるさ」 いいから黙れ、 と晴明が再び唇をふさぐ。 ゆっくりと瞼を閉じた紗羽の腕が晴明の首を抱いた。
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