第4章

5/11
前へ
/44ページ
次へ
「だめ」 晴明の意図するところを感じ取って、 紗羽が身を離そうとする。 「そんなふうに触れたら、 危ない。 命を吸ってしまう」 この身は乾ききった土と同じ。 もう自分でもコントロールできない、 と紗羽が言う。 「このまま放ってはおけない」 晴明は抗う腕を捉えて、 その喉元にくちづけた。 「――っ」 首筋から耳朶へと舌を這わされて、 鋭く息を吸った紗羽の身体がふるりと震える。 「晴……」 唇を塞がれて言葉が途切れた。 晴明の舌がぬるりと這い込み、 紗羽のそれを捉える。 絡めあったそこから熱いものが流れ込んでくる。 ───足りない。 どっと。 抑えていた飢餓感が突き上げる。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加