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「だめ」
晴明の意図するところを感じ取って、
紗羽が身を離そうとする。
「そんなふうに触れたら、
危ない。
命を吸ってしまう」
この身は乾ききった土と同じ。
もう自分でもコントロールできない、
と紗羽が言う。
「このまま放ってはおけない」
晴明は抗う腕を捉えて、
その喉元にくちづけた。
「――っ」
首筋から耳朶へと舌を這わされて、
鋭く息を吸った紗羽の身体がふるりと震える。
「晴……」
唇を塞がれて言葉が途切れた。
晴明の舌がぬるりと這い込み、
紗羽のそれを捉える。
絡めあったそこから熱いものが流れ込んでくる。
───足りない。
どっと。
抑えていた飢餓感が突き上げる。
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