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「え…と、色々事情がありまして……。でも神島さんとはお付き合いはしてませんから」
「神島さんに色目使ってんじゃないわよ」
そう言い残し、彼女は去っていった。
私は呆然とするばかり。
前の職場は年配の方や既婚者ばかりで若い人はあまり居なかった。
若い人が沢山居て、更にイケメンがいると、こんな問題を生じてくるのか。
まだお昼なのに激しく帰りたくなってきた。
「……フミさん、そちらは順調ですか?」
自分のデスクに戻るとフミさんに訊いてみた。
「お。敵チームの偵察か?」
「敵チームとか寂しいこと言わないで下さい……」
私もそっちのチームに入りたかった。
お昼、どうしようかな……。
あんなこと言われたら、神島仁の所に行きたくないし……。
「あれ?神島さんのとこ、行かへんの?」
私がお弁当袋を抱えながら考えあぐねていたらフミさんが訊ねてきた。
「えぇっと…どうしようか迷い中です……」
「莉緒、お昼食べよう」
迷ってる間に神島仁が迎えに来てしまった。
ここで騒ぎだすと同僚に迷惑かかるかもしれない。
とりあえず今日はお弁当もあるから、しっかり話をして今日で最後にしてもらおう。
引き延ばすと言いづらくなるから、言うなら早めが良いよね。
「あの……今日でお弁当は最後にしていただけませんか?」
神島仁の部屋に入るとすぐに伝えた。
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