iNG.5

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「おはよう、早いね」 平静を装って笑顔で返した。 坂本君は私の事なんてただの友人にしか思ってない。 勝手に意識してるのは私だけ。 そう心に言い聞かせる。 「鈴宮もどうなったか気になって早く来た?」 「うん…坂本君も?」 「あぁ」 高校の時から責任感の強い坂本君。 やっぱり彼は変わらない。 「今日はよろしくお願いします、リーダー」 私は坂本君に頭を下げた。 「あぁ。俺達の案が通るよう頑張る」 私達のチームは坂本君がメインでプレゼンをする。 朝すぐにミーティングルームに全員で入ってプレゼン会。 先ずはAチームから発表した。 正直、全然形になってないし、見せ方も上手くない。 素人の私から見てもあまり良くないと思う。 これなら…… そして私達のBチーム。 坂本君は堂々とプレゼンをしている。 神島仁の顔色をチラリと窺うと、明らかにさっきと表情が違う。 「はい。両方のチームをお互い見終えて思うことはあるか?特にAチーム」 神島仁の言葉にAチームは誰も何も言えず、皆俯いていた。 「これは本番じゃない。だが請け負っている仕事だ。もっと良いものを作れたんじゃないか?」
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