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「初めての仕事だからとか、二週間しかないとは言わせない。Bチームがこんな良いものを作ったんだからな。というわけで、Bチームの案をクライアントに確認してもらう」
「なーんか、手応えなかったなぁ」
「ですよね。アッサリ決まっちゃって」
「だよなぁ」
打倒黒井を掲げていた私達はプレゼン会の後、お互い溢した。
「じゃ、次の案件お互い頑張ろ」
フミさんは自信に満ちた顔で言った。
「ですね」
私は不安だらけ。
「聞いてる?」
「え?あ。ごめんなさい。何でした?」
昼休憩中に神島仁に仕事のことだと呼び出されて、結局私はお弁当持って神島仁の部屋に入った。
午後からの新しい案件のことが不安過ぎて、私は神島仁の話もロクに聞かずにその事ばかりを考えていた。
「次の土曜日、暇か?」
溜め息をついた後、神島仁は私に訊ねてきた。
「仕事の話じゃ無いんですか!?」
「ある意味仕事だよ」
いつも私を誘うときは気持ち悪いくらい笑顔の神島仁なのに、今は感情を読み取る事が出来ないくらいの無表情。
不気味……。
それに、ある意味ってどういう事?
嫌な予感しかしない……。
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