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「え」
ターゲットの話してるんですけど……。
それにこの仕事はとりあえず企画のみ。
もし広告にクライアントが芸能人を起用しようが、私達が会うことも無いと思う。
というかそれも最初に神島仁が説明してたのに、ちゃんと聞いてなかったのか……?
いや、待て。全てを否定しちゃダメだ。
まず、理由を伺おう。
「誰かイメージに合う人が居ました?」
「だって芸能人に会いたいじゃん」
……は?
「前の部署ならバンバン会えたのにな~。神島さんに付いて来て失敗だったかな~」
もう、帰ってもらっていいですか?
林さんと、もう一人の男性社員はずっと黙ってるし……。
とりあえず昨日私がいくつか考えた案で討論して行くことにした。
そしてまともな討論も出来ず、終業のチャイムが鳴ると同時に帰っていくチームメンバーを私は今日も呆然としながら見送る。
本当に疲れた……私も買い物に行こう……。
でも神島仁が現地集合に納得してくれて良かった。
だって絶対神島仁と向かうとまたあのブランドショップに連れてかれそうだから現地集合になって助かった。
と、安心出来るはずだった。
「莉緒、これ着ろ」
「は?」
現地集合で神島仁の車の中で渡されたのはあのブランドショップの大きめな紙袋。
恐る恐る中を開けるとやっぱり服。
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