iNG.5

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「何ですか!これ!」 「莉緒の服。お弁当の御礼」 「要りませんよ!何でお弁当がブランド品になるんですか!返品してきて下さい!」 私は神島仁に渡された紙袋を押し返す。 「返品なんて出来ないよ。じゃあ捨てる」 「……は?」 神島仁の有り得ない一言に私は唖然。 「だってプレゼントする女は莉緒だけだし。だったら捨てるしかないじゃん」 「捨てる!?何て勿体無いことを言ってるんですか!?」 「あぁ、俺もそう思う。『勿体無いオバケ』が出てくるな。俺、呪われちゃうな」 「……」 「莉緒は俺をみすみす『勿体無いオバケ』に明け渡しちゃうわけ?それで良いわけ?」 そう言いながら神島仁は口角を上げる。 この男はぁ~~~~~~~! 「わかりましたよ!着れば良いんでしょ!?着れば!!」 「あぁ」 私の一言に満足げに微笑む神島仁。 あぁ!苛々しかしない! 「ちなみに勿体無いオバケは食べ物だけだから!」 「分かった、覚えとく」 ホント、無駄遣いの王様だな! 今日は大企業の幹部様。 そしてやっぱり今日もたらふくお酒を飲まされた。 「お疲れ、今日も助かった」 神島仁は今日も車のドアを開けて手を差し出した。 結局今日も車でアパートまで送ってもらった。
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