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「何ですか!これ!」
「莉緒の服。お弁当の御礼」
「要りませんよ!何でお弁当がブランド品になるんですか!返品してきて下さい!」
私は神島仁に渡された紙袋を押し返す。
「返品なんて出来ないよ。じゃあ捨てる」
「……は?」
神島仁の有り得ない一言に私は唖然。
「だってプレゼントする女は莉緒だけだし。だったら捨てるしかないじゃん」
「捨てる!?何て勿体無いことを言ってるんですか!?」
「あぁ、俺もそう思う。『勿体無いオバケ』が出てくるな。俺、呪われちゃうな」
「……」
「莉緒は俺をみすみす『勿体無いオバケ』に明け渡しちゃうわけ?それで良いわけ?」
そう言いながら神島仁は口角を上げる。
この男はぁ~~~~~~~!
「わかりましたよ!着れば良いんでしょ!?着れば!!」
「あぁ」
私の一言に満足げに微笑む神島仁。
あぁ!苛々しかしない!
「ちなみに勿体無いオバケは食べ物だけだから!」
「分かった、覚えとく」
ホント、無駄遣いの王様だな!
今日は大企業の幹部様。
そしてやっぱり今日もたらふくお酒を飲まされた。
「お疲れ、今日も助かった」
神島仁は今日も車のドアを開けて手を差し出した。
結局今日も車でアパートまで送ってもらった。
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