iNG.0

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「卒業式が終わったら、話したいことがあるんだ」 そう言って顔を上げた坂本君の頬は少し赤みを帯びていた。 私を見つめるその瞳には熱が宿っているように見える。 それって…… 私の心臓は期待で速くなる。 「聞いてくれる?」 坂本君の問い掛けに、 「うん……」 私は即答で頷いて返した。 そんな私の言葉に安心したのか、坂本君は笑顔になって「良かった……」と呟いた。 「私も坂本君に話したいこと、ある……。聞いてくれる?」 そう言って上目遣いに彼を見ると、 「あぁ」 彼は頬を赤らめながら微笑んだ。 坂本君も私と同じ気持ちを持っていてくれている……。 私は彼の表情を見て、そう確信した。 私も合格して、笑顔で気持ちを伝えられたら…… そう思いながら合格発表の日までドキドキしながら過ごした。 それから四日後の合格発表当日。 昨日は緊張してあまり寝られなかった。
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