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毎朝、
ほぼ同じ時間に彼は来る。
ふらりと彼女の足元に留まり、
少しの時間を過ごして、
また気紛れに飛び立っていく。
この高い窓から彼女を見つめて4日目。
時間になっても彼は来ない。
上空を流れる風が彼女の旗を揺らす。
だから?
当たり前だけれど彼女は
風に揺らぐflagを持つ。
いつもと同じ凛とした背中で。
彼女の代わりに風を恨みそうになったとき
彼は来た。
なぜかほっとする。
そしていつものように、
少しして飛び立った。
もちろん、
遅れたことを詫びるでもなく。
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