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二人が世間話に花を咲かせていると、いつの間にか佐藤の電話は終わったらしく、受話器を置くと席を立った。
ガラスで仕切られた佐藤のデスクスペースから出てくると、手をパンパンと叩いて、皆の注目を集める。部内が静かになったところで、おもむろにアナウンスを始めた。
「今回の発注分、半分はサンテックさんに入れてもらって、残りはデジタルライツさんで穴埋めすることにしました」
安堵のため息が部内のあちこちから漏れた。報告が皆に行き渡ったのを確認してから佐藤は続けた。
「詳細は今から部内一斉メールで通達しますが、急ぎ話を詰めます。溝口さんとこはすぐに断りの電話入れるから、それまでに状況を確定したいので皆さんよろしく」
そういうと、佐藤は何事もなかったかのように、自分のデスクに戻り作業を始めた。
安藤が、
「なんか、ツルの一声で決まってしまいましたねー。さっきバタバタしてたのがウソみたいですよね……」
と、思わず呟くと、沢田もうなずいて、安藤に同意する。
「確かに、ウチの部長が佐藤部長でラッキーだったよ」
それから、慌てて契約書の作成に取りかかった。
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