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山本の言い草に佐藤は呆れた。
「そりゃそうだろ。オマエが開き直ってどうすんの」
「そんなこと言わずにさー、ノリちゃん、長い付き合いじゃないの。なんかいい知恵貸してよー。女をたらしこむのは得意じゃないの」
「人聞きの悪いこと言いなさんな。オレは女をたらしたりしません」
山本はくいくいっと飲みながら、さらに絡んでくる。
「何言ってんだよー。オマエは自覚ないけどさ、女を気持ちよくさせることにかけては天下一品ですよ。頼むからオレの女房も何とか説得してくれよ、出て行かないようにってさぁ」
「誠心誠意、謝るしかないんじゃないの? もうしません、ってさ」
「謝ったけど許してくれないんだよ」
山本はもう泣きそうである。
「だって、キャバクラ行ってんだろ? そりゃ、通ってたら無理だろう……。 ってかさ、いっぺん聞きたかったんだけど、キャバクラってそんなにいいの?」
この一言を待ってましたとばかりに、山本は顔を輝かせて得意げに滔々と語り出した。
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