#3

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そのままベッドでうとうとしていると、キッチンから圭太の声が飛んでくる。 「あー、このネスプレッソ、うちのと同じヤツだ。優香さん、ここら辺の粉適当に選んでいい?」  「うん。フレンチローストにして。濃くて美味しいから」 まどろみの中で答えた自分の声は、どこか違うところから聞こえてくる音楽の様で現実感がまるでない。優香はふんわりとした心地よさに包まれていた。 間もなく、コーヒーの入るシューという音とともに、香ばしい香りが部屋中に広がった。 なおも目をつぶったまま、コーヒーの香りに身を任せて夢心地でうっとりしていると、圭太がマグカップを一つ優香に差し出してきた。体を起こして受け取りながら、何だか映画のワンシーンみたいだなーと重たい頭でぼんやり考えていた。 優香がコーヒーを飲むのを、圭太は隣りでじっと見つめている。 「どうしたの?」 優香が圭太の視線に気づいて聞いた。 「うん……口もとがやけに色っぽくて目が離せない」 「は?」 「……キスしていい?」 圭太は優香の返事を待たずに、首筋に舌を絡めてきた。圭太の手は、優香の背中を行ったり来たりしている。 鳥肌が立ってぞくぞくした。 「……ちょ、ちょっと?」 「ダメ? オレ……やりたい」 圭太は上目遣いで優香を見つめる。
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