#3

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思いがけない佐藤の応援が嬉しかった。 優香の上司は、どんどん仕事を取って来てガンガン仕事をする優香がどうも鼻につくらしく、最近、何かと牽制してくる。君に出来るのか、などという露骨な嫌味さえ言ってくる。 あまりの言い方に、優香が、「出来るから私に依頼してくるんです」と喧嘩腰で応じてしまって、上司の顔を潰してから、とても居心地が悪い。どうも、上司は、優香のライバルである、忠実な子飼いの小山田をパートナーに推薦したいらしく、業績の良い優香に対して風当たりが強いのだった。 本橋や田崎も、この上司についておけば間違いないと思っているらしく、同調することが多く、オフィスでの優香のセクションで優香は四面楚歌のような状態であった。 だから、なおさら佐藤の言葉が心に沁みた。 こんな風に、自分の仕事をポジティブに認めてくれる人がいるだけで、なんだか頑張れる気がする。 次の日、優香がコーヒーを買おうと店に入ると、昨夜のようにちょうどまた、佐藤がコーヒーを買って出てくるところだった。 二日も続けて会えるなんてツイている。 フツフツと気力がみなぎってくる気がした。 「佐藤さんはもうコーヒー買われたんですね」 佐藤が手にしているコーヒーに目をやって優香が水を向けると、 「今日はコーヒーじゃないんですよ。これ、……キャラメルマキアージュ」 佐藤は少し照れながら答えた。 「ええ?」 意外な回答に優香は少しビックリした。 目の前ではにかむ佐藤を見ているとじわじわと心が和んでくる。 「意外。ブラックコーヒー以外のものも飲むんですね」 「僕、実は甘いものが大好きなんですよ。ケーキも大好きで」 ちょっと恥ずかしそうに答える。その時の少年のように無邪気に照れる表情が素敵だった。
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