#3

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「じゃあ今度、昨日のコーヒーのお礼に、すっごくおいしいチーズケーキ、ごちそうしますよ」 どうしても声が弾んでしまう。 話しているうちに頬が紅潮してきた。 「小泉さんはチーズケーキがお好きなんですか?」 「そ、私、チーズケーキ大好きで、都内の有名なチーズケーキは多分全制覇してると思いますよ。でも、一番美味しいのは私が作るチーズケーキ」 いたずらっぽく目をキラキラさせて朗らかに話す。キュートな優香の笑顔が眩しい。 佐藤はぽーっとなって少しの間優香にみとれた。 「すごいな。自分で作るんだ」 実際、料理をするというのが意外な感じだった。 「チーズケーキだけですけどね。私、自分好みの究極のチーズケーキを目指したことがあって、自分で必死にレシピを開発したんです。  門外不出ですよ、このレシピは。レモンと砂糖の微妙な差が……」 優香の話は止まらない。 夢中になってチーズケーキを熱く語る優香の顔はキラキラしている。チーズケーキに傾ける情熱が佐藤にも伝わってくる。 優香は、温度の高い女のようであった。 「仕事から帰ってから、毎晩毎晩ちょっとずつレシピを変えて、全部なんて食べられないから、一口食べて冷凍したりして。 あげる相手もいないのに、ばかみたいにたくさん作ったりして。 食べきれないから会社にも持って行ってたんですけど、しまいには、そこでも飽きられました。作りすぎていたので。 徹夜した事もあるんですよ」
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