#4

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微妙に言い返せない山本は、この話を続けると形勢不利と感じたのか、話題をもとにもどした。 「で、チーズケーキの彼女、どうすんの?」 「そうなんだよ、どうしよう」 今度は佐藤が頭を抱えた。 全く男というのは情けない。 「今はうまいこと避けてるんだけど……多分、また顔を合わせると思う。  ……いや、絶対合わせるな。そうなったら、オレ、断り続ける自信ねー」 優香の激しさと意志の強さは、佐藤もよく分かっている。 一たび優香が突き進んで来たら、それをはね除ける自信はない。 「なにその弱気、珍しい。どうしちゃったの。いつものように淡々と対応しなさいよ」 山本が首を傾げた。 「だよなぁ」 非常に残念そうにため息をついている佐藤を見て、何となくいつもとは違う空気を感じる山本である。   「いやいやいやいや、その未練がましいため息なんなの?」 「未練がましい?」 佐藤は自覚していないようだ。 「そ、未練たっぷりじゃないの、ため息が。  ひょっとして会いたいとか思ってんじゃないの? ダメだよ、浮気しちゃ。シャレになりませんよ」 いつもと違う佐藤に、山本は心配になってきたのかもしれない。 「わかってるよ。」 山本に答えながらも、本当にわかってるのか、と自問したが、答えは出せなかった。 彼女のことを考えると、体の中が妙にざわざわと落ち着かない感じがするのだった。
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