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失恋を癒すには新しい恋が一番だ。 「新しい」というのも「恋」というのも微妙だが、何回かベッドを共にした仲でもあるし、圭太と飲みに行くのは気晴らしには持ってこいであった。 たまには美味しいものを一緒に食べるのもいいよね、と圭太にメールしたところ、優香からの誘いに応えるべく、圭太は張り切って小洒落たフレンチを予約してくれている。 ちょっと気後れしそうなぐらい高そうな店なのに、案外と圭太は慣れた様子で、ワインリストを眺める姿も堂々としていた。 不審な目つきをしていたのだろう、圭太はバツが悪そうな顔で種明かしをした。 「この前、家族で来たんだよ」 「家族って、ご両親と?」 「あと妹も。うちさ、親父もお袋も食べ歩きが結構好きなんだよ。  割とちっちゃい時からあっちこっちに食べに行っててさ、今でも、月に一回ぐらい、家族全員で食事会みたいなのが恒例になってるんだ。  あ、優香さんも今度参加する?」 「何、それー?」 「結婚への布石?」 顔あげてまじまじと圭太を見た。  
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