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「何言ってんの? 知り合ってまだ一ヶ月くらいしか経ってないし、私たち、そもそもつきあってるの?」 いきなり言い出す圭太が信じられない。軽くて調子がいいにも程がある。 なかばやけくそになってたとはいえ、圭太を誘った自分を激しくなじった。優香は、涼しい顔をしている圭太に突っ込まずにはいられなかった。 「そんな、相手のこともよく知らないうちに結婚なんてしちゃっていいの? すぐに離婚ってことになったらどうするのよ」 「なんないよ」 即答する圭太が優香には面白くない。 「どうしてわかるのよ」 「オレ、優香さんにぞっこんだもん」 この甘ったれた考えがしゃくにさわる。 「結婚となると話は別じゃない。大体ご両親はどんな人? 特にお母さん。  それにさ、圭太がどんな仕事してるかとか、私、知らないし、もちろん収入だって知らないし、あたしのことだって全然知らないでしょ。  あたし、圭太に甲斐性がなくてずっと養うとかイヤだよ?」 少しはひるむかと思いきや、圭太はけらけらと笑い出した。 「思った通りだよ。優香さんのそういうストレートなところ、やっぱり好きだなー。  お互い言いたいこと言い合えば、大抵のことは何とかなると思うよ」 圭太のあまりに楽観的でいい加減な見通しに優香は呆れるばかりである。  
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