第2章~何が起きたのだろう・拓哉の章~

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「俺は誰だ…?」 そう俺は困惑しながら言い、そんな俺に厳つい男が。 「なんだお前…俺の言葉がわかるのか?だがオイラはお前が誰かを聞いているんだよ?」 そう言うと、俺は厳つい男の両腕を鷲掴みして、厳つい男の顔を見上げながら。 「俺は誰なんだッ!俺は何処から来て何処へ行こうとしているだッ!」 と、俺は声を張り上げ、唾を飛ばしながら言い放った。 これに厳つい男は困惑して。 「なんだお前…自分が誰なのかわからないのか?何処から来て何処へ行こうとしているのかがわからないのか?」 そう俺に訊ねて来たので俺はコクリと頷いた後、厳つい男の両腕を離し、うつむくと俺は。 「俺は誰なんだ…」 と、呟きその場にヘタリ込んでいた。 俺が大声を上げ、ヘタリ込んだ事で何事かと辺りから、人々が集まり始め、俺と厳つい男を取り囲み、そして取り囲む人々は「なんだなんだ…」と何事かを口々に言い騒然と、その場はなっていて、そこへ近くの寺の和尚が通りかかり、人混みに気付き、その人混みを分け入って来て、厳つい男を見つけると。 「これ太郎丸ッ。またお主悪さをしたのかいッ」 そう和尚は、厳つい男を「太郎丸」と呼び、その太郎丸を叱りつけた。 すると太郎丸は慌て。 「和尚ッ。勘違いでさッ。オイラはただ見かけね奴を見てしかもこの見慣れないこの格好のこの男に名と何処から来たかを訊ねただけでさッ。そしたらこの男ッ。自分の名がわからないとかッ。自分が何処から来て何処へ行こうとしているのかわからないとか叫びだしてヘタリ込んでしまっただけでさッ」 と、太郎丸は慌てふためき、自分は何もしていないと、和尚に説明した。 どうやら太郎丸というこの厳つい男、和尚には頭が上がらないようである。 慌てふためき説明する太郎丸の様子に、和尚は半信半疑のまま、目の前にヘタリ込んでいる俺の目の前にしゃがみ込み。 「お主…本当に自分が誰なのか、そして自分が何処から来て何処へ行こうとしているのかわからないのかい?」 そう和尚は俺に訊ねて来た。 そんな和尚に俺はコクリと頷き答え、そんな俺に和尚は。 「なら付いて来なさい」 そう言い、俺を立ち上がらせると、和尚は自身が住職を務める寺へと、俺を連れていった。
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