682人が本棚に入れています
本棚に追加
/133ページ
俺に触れる唇が優しい。
首筋から胸へと移動し、チュッと可愛い音がたてられた。
「ははっ…、くすぐったい…」
柔らかく吸われ、思わず身をよじった。
ピンとたってきたところを前歯で軽く挟まれる。
今まではきつく吸われるか、噛まれるかしかされたことがなかったから、その柔らかな刺激に背筋が震えた。
「あ、はんっ…、ちょっと…」
「なに？」
「くすぐったいんだって…」
匠の顔を手のひらで押す。
ぬるっと彼の舌がその手を舐めた。
「やあっ…」
いつもは狂おしいほど性急に求められていたのが、今夜はなんだか甘ったるくて戸惑ってしまう。
「もお…、なんなんだよ…。あんたさぁ、どうしちゃったんだよ…」
困惑して尋ねると、匠は俺の手から唇を離した。
「何ってお前…、恋人にするようにやってんだろ。」
その言葉に、俺はぽかんと口が開いた。
「はっ…、あんた、恋人にはこうやって甘ったるくするんだ…？」
「そうだよ。お前、俺とつきあうんだろ。」
匠はそう言うと、俺のウエストに手を回し、ぐっと身体を引きよせる。
最初のコメントを投稿しよう！