一章 夢

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今日は、普段見る夢とはまったく違う夢を見た。 いつの間にかまったく見覚えのない、恐らく公園であろう場所のベンチに自分が座っていた。 でも何か違和感を感じていた。 何故ならこの状況が、現実では無く夢であると、気づいてしまっている自分がいたからだ。 ここまで現実に近い夢を見たのは初めてだった。 「吉田?大丈夫か。どうしたんだよ、長い間ボーッとして。」 高くもなく低くもない声でそう声をかけられた。 何処か聞き覚えのある声だ。 吉田が座っていた同じベンチの右側に、吉田の友人である清水翔太が座っていた。 吉田はとっさに少し考え事をしていた。と答えた。 清水翔太、彼は吉田と小学一年の時からの幼馴染だ。顔立ちも綺麗で、クラスの女子達からよくチャホヤされていた。 しかし、今となってはお互い年齢が二十四歳になってしまい、清水は頭が良く弁護士の仕事に就いているらしい。 それに比べ吉田は、大学へは行かず、就活もうまくいかなく現在無視である。 自分は何故、清水と同じ様に人生の勝ち組と呼ばれるグループに属する事が出来ないのか、自分の無力さに悩まされる中、 公園で遊んでいた、おそらく小学校低学年位の年齢であろう子供達が、急に悲鳴を上げながら逃げているのに2人は気づき何事かと驚いた。
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