第1話

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一浪して入った大学を卒業後、日雇いの仕事で綱渡り生活をすること早一年。 見兼ねた親友が、俺、卯野蓮をボロアパートまで訪ねてきた。 「お前、このまま刺激がない生活してるとしまりのないぐうたらな人間になっちまうぞ」 呆れ顔で俺に説教をする男は名を三島賢悟と言い、現役で大学に入って、俺より二年早く大学を卒業し、起業した傑物だ。 そう、俺は、浪人も留年も経験した、ダメ人間だ。 そんな俺を気にかけるような人間は、この三島くらいだ。 裏にどんな理由があるか知らないが、折角世話をやいてくれているのだから、となされるがままにしている。 まあ、一番は、反論するのも、自分から助けを求めるのも、面倒なだけなのだが。
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