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「一体どうなってるんだ…」
そう言ってガレは頭をかかえる。
「だから、言ったじゃないですか、殺人はまだ終わっていないって。でも、次が最後になるでしょうね。犯人は、計算を崩されてお怒りのようですが、それでも、法則性を重視する、お堅い人間のようだ。僕が関わった時点でやつの方程式は崩れたというのに。まったく、美しくない」
そう言ってロートスはにいと冷たく笑む。
これが、こいつの本性か、と思いながら、ガレは頭を働かせる。
次のターゲットは、だれだ?
「まだわからないのですか?犯人は、ヒントをたくさんだしているでしょう?殺すはずだった小野りょう、両津勇、そして、殺された陸正造、牛久時雨。共通点は?」
ガレが思案していると、ロートスは愉快そうに笑って言った。
「牛久時雨のハンドルネームは、ジウというそうです」
そこでやっとガレは冷静になった。
すべての名称の最後は、"う"。
犯人が最後に殺したかった相手。
"う"から始まる名前。
「卯野蓮…」
ガレの口からその名がこぼれる。
「さて、あなたはどうする?」
ロートスがそう言って目を細めて笑う。
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