君は。

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Nishijima side 「綺麗な青空だよね」 隣の席から聞こえたその声で、時が止まった気がした。 「えっと...。西島くん、だっけ?」 西「へっ?あ、はい。そう、西島...です。」 「ふふっ」 西「え?」 「焦ってんのが面白くてつい...ごめんなさい。」 似てる。話し方も、笑い方も、表情も。この子の何もかもが。 「あ、まだ名前言ってなかったね。私、宇野です。よろしくね?」 西「あ、うん。よろしくお願いします。」 なぜだろう。うまく呼吸ができない。君が目の前にいるようで胸が苦しくなる。 君と過ごした日々が脳裏に浮かんでは消えていく。 また始まるあの日の後悔。胸が締め付けられて、目の前が真っ暗になる。 「...じまくん。西島くん?」 西「はぁ、はぁ、はぁ...。」 宇「大丈夫?なんか苦しそうだけど...。」 西「あ、ごめんちょっと...。」 これ以上話すと涙が出てきそうで、教室を出た。
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