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「おじさまはどこから来たの?」
「!?」
一気に食べきった女性はふぅと息を吐き、突然そんなことを話した。
面食らった私は思わず食べていた果物を吹き飛ばし、給仕の人々が片付けに来てくれた。
「どうしてそんなことを聞くのですか?」
「ふふ、何となくね、そうだったらいいのになぁと思って」
「良いのですか?」
「そうね、今の私には嬉しいかな」
ふんわりとした笑みを浮かべ、女性はそれきり世間話をし始めてしまった。
何処のおばあちゃんがニモノをくれた、近くのショウガッコウの兎が増えた、本当に何でもない他愛のない会話。
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