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風が吹いて、いつの間にか腰まで伸びていた髪を揺らす。
あの時と同じ、花の香りを運んでくれる暖かい風。
唯一違うのは、ここがあの時の庭ではなくって大きなテラスへ続く大きなガラス扉の前なこと。
知ってた? 私、ここからいつもこっそり見ていたこと。
いつも見つめていたこと。
「好きって言えよ」
その言葉がずっと離れなくって、結構苦しんでた。
ずっとずっと、ずっとずっとずっとずっと、離れなくて困ってた。
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