最後のワガママ

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とても長い時間話して話して話し続けてそのお店を出た。 夕日を背にのんびりと元来た道を戻りながら、もう少しで女性の店という所。 どうしてそんなことをしたのか、未だに私自身でも分からないけれど、女性の手を引き抱きしめた。 ただぎゅっと、包み込むように。 当たり前だが驚いた様子の女性は、しかし急に大粒の涙を流し、声を出して泣き出した。 「ごっごめんなさい」 慌てて離れようとしたけれど、それを女性の手が離さなくて、道の真ん中で通り過ぎる人々の視線を浴びながら、ただひたすら泣き続ける女性を抱きしめ続けた。
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