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それから数えきれないくらいの時が過ぎて、サクラが傍にいることが当たり前のようになって、ぽっかりと時間ができた日。
久し振りにゆっくりとお茶をした。
いつか二人で食べたくれーぷと言うモノを、サクラはコックたちの不安を気にもせず自分で作り上げてくれ、暖かい太陽の光を浴びながらいただいた。
生クリームと色とりどりの果物がパリパリに焼かれたくれーぷ生地に合い、甘さを口の中と心をも満たして行く。
「サクラは何でもできて凄いね」
「何もできないよ、一生懸命してるだけ」
「十分だよ」
「ありがとう」
私たちの周りにはいつかみたいに沢山の人がいるわけでも無く、いつでも駆けつけられるように少し離れた所にしか人はいないから、本当の二人きりに近い。
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