naturalism

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「燈路、おまえ、また余計なこといったんじゃねえのか?」 「おいおい、なんでそうなる」 「仁がおかしい」 「そりゃ、おまえのせいだろ」  ケラケラと笑う燈路に、瀧川は鋭い視線を浴びせ、再び仁の顔を覗き込んでくる。  まったくもって、厄介だ。  にやにやと嫌な笑みを浮かべている燈路と、見たこともないくらい甘い顔をして自分を見つめる瀧川。  どうやらこの状況、慣れるには随分と時間がかかりそうな予感がする。 「おい、どこいくんだよ?」  居心地の悪さから立ち上がった仁に、瀧川が声をかける。 「トイレ」 「俺もいく」 「・・・・トイレくらいひとりでいかせろよ」  呆れた表情の仁の肩に、当たり前のように手を回し、瀧川はにやりとした笑みを浮かべる。 「一年分は取り返さないとな」  ひさしぶりに見た、その不敵な笑みに、なぜだか胸が疼いた。
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