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起床。アラーム停止。怖~~。何だ、今の夢。前の夢は「なんか嫌」ってレベルだったけれど、今回のは明確に怖い。もしも彼女と彼女の父親が血が繋がっていなかったら、ってことか。怖~~。
……いや夢じゃん。そうだった、夢だった。彼女が見せてくれる写真の中の家族こそが本物の彼女の家族であって、今見た夢の家族とは全く関係ない。つまり心配することは全然無いってこと。無いってことだよね?無いってことでしょ。これで前の夢のときみたいに、「君のお父さんって君と血繋がってるの?」とか聞いたらめちゃくちゃヤバいやつだ。夢よりも僕の方が怖い。
でも、考えてみたら煙草のことと同じで、僕は彼女の家族についてほとんど何も知らない。僕も大学三年生だし、今の彼女と結婚する可能性もまあゼロではない。というか、結婚するなら彼女かな、と思っている。結婚したらあちらのご家族とも自然と関わりが増えるわけで、だとしたら彼女の家族のことを全然知らないっていうのは、どうなの?って話になる。彼女がたまに見せてくれる家族写真について、見るばかりでそれ以上関心を寄せてなかったのって案外ダメなことなんじゃない?「お父さん、旅行先ではどういうところに行きたがるの?」ぐらい聞いておけば良かったのでは?
悶々とする僕に、彼女からLINEが届く。「布団から出られないので休みま?す」。続けて、布団の中で目を瞑っているカワウソのスタンプが送られてくる。可愛い。「かしこまり。眠りたまえ」とだけ返信して、僕は大学に行く準備をする。
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