第2話

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 カイソンはウシワカが抱く狩衣の端を手に取ると、声を震わせた。  「仇を取ってやる」  ウシワカは涙を手の甲でぬぐい、絞り出すようにつぶやいた。  「え」  カイソンは顔を上げ、ウシワカの眼を見た。  「シンキチの仇を取ってやる。もはや頭の勝負じゃねえ。実力で黒ずくめ、いやネエさんを倒してやる」  充血した瞳を、ウシワカは燃えたぎらせていた。
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