あのライトの向こう側

キラキラ、と

長い一日を終え、少し足早に帰路につく午後6時。

入社二年目に入り社会人としてだいぶ慣れてきた。
仕事のスピードの調節が上手くなったと感じているのだ。

私の帰路のスタイルは耳にイヤホンかける曲は椎名林檎。
これが鉄則。曲は気分によってはかえているんだけどね。

そんなこんなで無事に家に着いた。
電車で12分歩いて5分ちょいの小さなアパートの一室が私の家。

入ってすぐに着ていたスーツを脱ぎ捨てる。
まとめていた髪をおろし横に流す。挑発気味に胸元が広めのカットソーにミニスカート。
化粧も治してコートを羽織る。
耳にはイヤホンをつけたまま、再度玄関を出る。

・・・ん？
あぁ、紹介が遅くなりましたね。
私は某動画で活動中の歌い手かつ、アマチュアバンド『Butterfly』のボーカル「RIAN」なのです。

今日はそのバンドのスタジオ練習の日。
毎日忙しい仕事のなか、私の楽しみな日なんです。

「あ、きたきた！RIAN！」

スタジオにつくなり、私の事を見つけ手を大げさなほどぶんぶん振り回すのは
ベースのHARU。本名は澤田 春樹（さわだ はるき)。
彼の本職は踊り手だったんだけど、実はHARUがうちのバンドの結成者なんです。