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「――ッ!?」
仰向け、柔らかい枕、モニュモニュ、そして竜宮寺さんの顔……ッ!? 頭の中で点と点が繋がり線になる。
た、たた大変だ大変だ大変だッ! これは――ッ!
「おっぱーッ!?」
膝枕されたまま絶叫してしまう。
二つの球体は竜宮寺さんのおっぱい!? 乳房!? パイオニア!?
「なんだ今まで気付かなかったのか? まったく何て鈍感な、これでは君に頼むのはやめに……いや待て、これはいわゆる可愛い要素の一つである『天然』というものではないか? だとしたらまさに――」
竜宮寺さんは僕に揉まれたことなんか気にしてないようになにか一人でブツブツと言ってる。でも僕の頭の中はさっきの柔らかさとパイオニア発言でおっぱい――いや、いっぱいだよ! おっぱいがいっぱいなんだよ!
「りゅ、竜宮寺さんッ!」
「――うってつけではないか、そもそも可愛いという概念を私は――」
「竜宮寺さん!!」
「――ん? あぁ済まない、聞いてなかった」
「うん、そうみたいだけど、ちょっといい?」
「ん? 胸ならもう揉ませないぞ?」
「も、揉まないよ! そうじゃなくて、起きるから、その……胸に顔が当たらないようにしてね」
普通なら膝枕から起きるくらいでそんな嬉し恥ずかしハプニングは起きないと思うんだけど、竜宮寺さんのおっぱいは常識のそれを逸脱しているんだ!
僕はおっぱいに当たらないように頭をおっぱいと垂直――つまり太ももと平行方向に引き抜いて上体を起こす。
いやまぁ正直なところおっぱいに当たりたい気持ちはある。男の子だもん! でもさっきまであれを鷲掴みにしてたことを思うと、罪悪感があったんだ。
それにしても僕はこの短い間でどれだけおっぱいと考えたのだろう。
平静をどうにか保ち、座り直って竜宮寺さんと向かい合う。
「大丈夫みたいだな。心配したんだぞ?」
「へ?」
あぁそういえば、竜宮寺さんに激しく頭を揺さぶられてそのまま意識が飛んだような……。
「全く、人と話してる時にいきなり寝るだなんて豪快な奴だな」
「ええ!? ちょ、ちょっと! 竜宮寺さんの中では僕が普通に寝たことになってるの!? ほぼ百パーセント君のせいで気絶したと思うんだけど! というか、さっき心配したって言ったよね? 寝たんじゃないって分かってたよね?」
「アッハッハ! まぁそんなことはどうでもいいじゃないか」
バシバシと背中を叩かれる。
「強引だね」
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