24人が本棚に入れています
本棚に追加
圭がキッチンで洗い物をしている間、ユキはすぐ隣に立って、じっと圭を見つめ続けていた。
ときどき圭がユキに視線を向けると、ユキは嬉しそうに目を細め、そっと頬を寄せる。
そんな仲睦ましい二人の様子を横目で見てはじりじりしながらも、私は洗濯物をたたんでいるのだ。
うう、悔しい!
れっきとした彼女である私に、他の女とのラブラブな姿を見せつけるなんて、圭ってばひどい。
圭は洗い物を終えると、ひょっこりと顔をだして私に訊ねてきた。
「ミカ、お風呂、先に入る?」
「えーと、まだ中途半端だから、圭、先に入って」
「あ、洗濯物か。いつもありがとね」
「こちらこそ、洗い物ありがと」
圭が私の大好きな笑顔で頷いた。
ああ、やっぱり大好き。
圭がお風呂に向かうと、ユキはちょこちょこと後をついていった。
そして、お風呂の扉の前に座り込んで、圭があがってくるのをじっと待っている。
悔しくなって、私も同じようにユキのとなりにしゃがみこんだ。
するとユキが、甘えるように顔を寄せてくる。
………か、かわいい。
くそう、かわいいぞ。
ユキめ、小悪魔だな!
私はユキの頭を撫でながら、圭がシャワーを浴びる音を聞いていた。
最初のコメントを投稿しよう!