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きゅっと蛇口をひねる音がして、シャワーの音がやむ。
扉を開けて現れた圭は、バスマットの上にしゃがみこむ私たちを見て、「わっ」と目を丸くした。
「びっくりしたあ。何してるの、二人とも」
「圭があがってくるの待ってたの」
「あはは、そっか。なんか仲良し姉妹みたいだな」
圭は右手で私の頭を、左手でユキの頭を撫でて、私が渡したバスタオルで身体を拭いた。
「ミカも入っちゃいなよ」
「はーい」
私は急いで全身を洗い、さっさとお風呂からあがる。
今からがお楽しみの時間だから。
一日で唯一、圭とゆっくりのんびりできる時間。
私はタオルで頭を拭きながらぱたぱたとリビングに向かう。
ソファの背もたれから、圭の後ろ頭が半分飛び出している。
「けーい♪」
私はその愛しい頭に後ろから抱きついた。
「おかえり、ミカ」
「ただいまー」
うふふと笑って圭の頬に唇を押しあてる。
そのとき、圭の隣にぴったりと寄り添うようにしてソファの上で寝転んでいるユキを発見してしまった。
しかも、圭の膝にことんと顎をのせている。
その仕草の愛らしさといったら!
圭が目をハートにしているのも致し方ない。
でも! 圭には私という彼女がいるんですからね!
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