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――べ、別にエッチだけが目的じゃないからな、今宮と一緒に居ると楽しいからなんだぞ……。
寿夫は誰にともなく言い訳をして、自分のマンションを見上げた。
「お?」
5階の角部屋、寿夫の部屋に灯りがともっている。
――まま、まさか、いっ、今宮……?
いや待て待て。朝出がけに部屋の電気消し忘れただけじゃないか?
あんまり期待すると違った時のショックが大きい。
そう思っても気持ちがはやる。
エレベーターを待つのがもどかしくて、5階までの階段を駆け上がった。
ものすごい勢いで玄関を開ける。そこには寿夫のものではないスニーカーがちんと揃えられていた。
靴を脱ぎ散らかしてリビングに飛び込む。
――ああっ、神様仏様っ!
リビングにはソファーを背にし、サイドテーブルに突っ伏している雪人の姿があった。
――き、来てくれたんだな、今宮ッ!
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