SNOW・LOVE

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「実は……」  言いかけて口をつぐむ。 「なんだよ、なんでも言えって。どしたなにかあったか? 停電か? 今日は雨じゃねぇから雨漏りじゃねぇよな……、じゃあついに風呂釜が……」 「違うんだ」 「うん」 「実は……今朝いつものように番組を見ていたら」 「おう、お前がいつも見てるあれか、『おはよう太陽です』だっけか、あのローカルの」 「そう……」  雪人は寿夫の部屋に泊まった朝も必ずこの番組を見る。よく喋る地元のアナウンサーが楽しいと言うのだ。 「重いニュースばかりを扱わないから好きなんだ。地域に密着した情報なんかもたくさん流れるし」  その情報を活用しているとは全く思えないのだが、寿夫は朝の番組などどうでもいいし、雪人が好きならと一緒に見ていた。 「その番組がどうした?」 「いや、番組じゃなくてテレビが……」 「テレビ?」 「ボン! って大きな音がして薄い煙が上がったなぁと思ったら、うんともすんとも言わなくなった」 「はい?」 「揺すっても叩いても、映らないんだ」
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