第1章

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『おはよう、竹井君』 未裳座りんは、大学構内にある研究室の入口にいた竹井元(たけいはじめ)に声を掛けた。 『おはようございます!今日は早いですね?』 竹井元は、りんより2つ年下で 今春、大学を卒業して大学院生となり この研究室に来ているのである。 『うん、やっぱり晴れはいいね~!』 りんは、そう言って席に着いた。 『雨の日の方が、研究的にはいいんですけどね』 二人が関わる研究は、素粒子工学やヒッグス粒子などである。 『気圧かぁ…』 『低気圧は、破壊力がありますからね』 『竹井君、本当に〝時空の歪み〟は存在するんだよね?』 『それを見つけるのが、僕らのテーマでしょう』 元は、笑顔で言った。
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