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『おはよう、竹井君』
未裳座りんは、大学構内にある研究室の入口にいた竹井元(たけいはじめ)に声を掛けた。
『おはようございます!今日は早いですね?』
竹井元は、りんより2つ年下で
今春、大学を卒業して大学院生となり
この研究室に来ているのである。
『うん、やっぱり晴れはいいね~!』
りんは、そう言って席に着いた。
『雨の日の方が、研究的にはいいんですけどね』
二人が関わる研究は、素粒子工学やヒッグス粒子などである。
『気圧かぁ…』
『低気圧は、破壊力がありますからね』
『竹井君、本当に〝時空の歪み〟は存在するんだよね?』
『それを見つけるのが、僕らのテーマでしょう』
元は、笑顔で言った。
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