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日常
授業中、
前にいるあなたの背中が見える。
今日は寝てないみたい。
微妙に丸めた大きな背中、
ノートと黒板を交互に見る為に動く首。
真剣に書き込む紙と芯が擦れる音。。
こっち見ないかなって思って、
2、3秒見つめて、
それから恥ずかしくなって
片手で枕を作って、伏せた。
もう一方の手を頬に当ててみれば
少し火照っているのが分かる。
冷えた手が熱を吸い取ってから、
恐る恐る見てみる。
あ、こっち見た。
ニッと意地悪そうな顔をしてる。
目を細くして、
口角が上がって歯が顔を出す。
心臓をぎゅって締め付けるような
引っ張られるようなのと
瞳が見開く感覚。
私はいじけるように、
ちょっとむくれた顔を作る。
伏せた状態から見上げるようにして
頬を膨らます。
本当は嬉しかったんだけど。
こういうことがあるから
授業中は眠れなくなったんだって。
夜眠れないのも、
休日会えなくなって寂しいのも、
翔のせいだ。
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