ACT.0 赤い誘い

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……そう、これは《ノーネームストーリー》という名のゲームなのである。 ゲーム雑誌にも、ゲームサイトにも名前はない。 ジャンルはRPGとしか明記のない謎のゲーム。 冒頭の文章が書かれ、ゲーム起動時にもそのテロップが流れていた。 本編主人公・有栖川咲哉がたまたま立ち寄った古いゲームショップの100円セールカゴから見つけた謎のゲームである。 店主もこんなものあったかな?と首を捻りながらも調べもせずに購買に至った。 身分証もバーコード読み込みもいらない、古いゲームショップ。 咲哉は暇な時間が潰せればそれで良かった。 因みに会話は一切していない。 髪は長く目が隠れ、後ろ髪は無造作に纏められて、服装も地味を通り越してズボラなダボダボなトレーナーに擦りきれたズボンという出で立ち。 性別を判別するものは一切見当たらない。 加えて口を開かなかった。
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